【ツアー報告】東シナ海第三の秘島 春の伊平屋島と野甫島 2022年4月11日~14日

(写真:サンカノゴイ)

11日、午後に那覇空港を出発。池ではタシギ、バンなどを観察、撮影。セイタカシギ12羽、アオアシシギ6羽が羽を休めている。その後は干潟へ行き、クロツラヘラサギ7羽をみなさんでじっくりと観察、撮影する。早くもコアジサシ2羽が上空を飛んでいる。さらに北上して港に到着。「フェリーいへや」は498トン、定員300名の立派なフェリーなのだ。伊平屋島は沖縄県の有人島では最北端に位置し、本部半島より北へ約41km、面積約20.7k㎡、賀陽山(標高294m)を最高峰とする山地が島の大半を占めているのである。フェリーはべた凪の海を北上する。多くの人が南の海というとカツオドリやネッタイチョウがばんばん飛ぶ情景を思い浮かべてやって来るが、まったくそんなのは妄想で鳥影がまったくないまま伊平屋島に到着。沖縄県内でも以外と知られていないが、伊平屋島は水が豊かで稲作が盛んな“お米の島”なのだ。田名の水田地帯へ行くと、サギ類が数羽降りているがシギ・チドリ類がまったくいない。沖縄本島でもそうだが、今年は気味が悪いほどシギ・チドリ類がいないのだ。夏羽の綺麗なアマサギを見ているとサギ類の中にヘラサギがいてみなさんでじっくりと観察、撮影する。ホテルへ帰る途中、再び水路沿いの道を通ると、道から5m程の所で擬態をしているサンカノゴイを発見。慌ててみなさんで観察、撮影する。サンカノゴイは怪獣を彷彿させるようなゆっくりとした動きで草の中へ入って行ったのである。夕方にホテルにチェックイン。海産物がメインの豪華な夕食に皆さん笑顔になる。

12日、早朝にホテル周辺を散歩するが鳥がいない。ここ数日、ずっと晴れが続いてて昨夜も満天の星空だった。春の鳥たちの渡りは、とにかく早く繁殖地に着きたいから晴れているとこんな小さな島に降りないでぐんぐん北上してしまうのだ。電柱にとまっている猛禽類を発見。逆光で見ずらくて〇〇ノスリかとドキドキしながら確認したがノスリであった。サシバの幼鳥が旋回しながら高度を上げて渡っていく。朝食後は広場にへ行く。芝地でシロチドリ12羽がのんびりと餌を啄んでいるので皆さんでじっくりと観察、撮影する。周囲には沖縄でもベスト1,2を争う綺麗な海が広がっているので、みなさんでしばらく海を眺める。その後、野甫島へ行く。野甫島は伊平屋島と橋で繋がっている面積約1.1k㎡、周囲約4.8km、標高48mの小さな島である。耕作地の農道をゆっくりと走るが鳥がいない。電線にコムクドリ4羽がとまってて、何か混じっていないかとドキドキしながら観察するが、全部コムクドリだった。12:15から魚汁とお刺身の昼食。午後の暑い時間は鳥がいないので、樹齢280年の「念頭平松」や天照大神が隠れたとされる「クマヤ洞窟」、クバが一面を覆う「久葉山」などの観光地を廻る。15:00から耕作地、水田地帯、林道などを丹念に見るがアマサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギなどのサギ類がパラパラとシロハラクイナ、バン、オオバン、セッカ、イソヒヨドリ、キジバトしかいない。17:00 野甫島へ行き、農道をゆっくりと走るが鳥がいないのでホテルに戻り、今夜も豪華な夕食となる。

13日、昨夜も満天の星空。早朝にホテル周辺で鳥を見るがキセキレイ、ダイサギしかいない。サンショウクイが鳴きながら飛んでいく。昨日よりも鳥が減ってしまった感じがする。7:30から朝食、8:15 出発。広場へ行くと芝地にシロチドリ14羽となっていた。野甫島へ行き、耕作地の農道をゆっくりと走るがやはり鳥がいない。途中でツミがとまっていてみなさんで観察、撮影する。ダムにはキンクロハジロ雄が1羽いるのでみなさんで観察していると、ダム湖を2m程の大きなヘビが泳いでる。写真判定でハブであった。伊平屋島はハブが多いが、昼間から活動しているあんな大きなハブがいるので油断ならないのだ。その後、水田地帯や溜め池を見てから海岸の道路を走っていると綺麗な婚姻色のオキナワキノボリトカゲの雄がいたのでみなさんでじっくりと観察、撮影する。12:00 伊平屋島名物のもずくが入った“もずくそば”の昼食。午後、林道の散策路を歩く。さらに水田地帯へ行くが目新しい種はなく、グランドを見てから野甫島の島内を何周も廻り、ミフウズラが出てきそうなポイントで待つが一度も出会うことはなかった。ゴイサギが渡って来てて観察、撮影する。帰りに野甫大橋を渡っていると海ガメが泳いでいるのでみなさんで観察してホテルに戻り、今夜も豪華な夕食となる。

14日、早朝にホテルを出発して広場へ行くとムナグロ14羽が新たに入ってた。急いで野甫島を廻るがミフウズラには出会えず、水田へ行き、アカハラや新たに入ってきたサギ類などを観察、撮影。朝食後、フェリー乗り場へ行き、出港。何もいない海上を有志で頑張って見て港に着岸。急いで南下して耕作地へ行く。上空を飛ぶツバメチドリをみなさんで観察、撮影。さらに海岸へ行き、ホウロクシギ、アオアシシギ、ヒバリシギ、タカブシギ、コチドリ、クロサギなどのシギ・チドリ類やサギ類を観察、撮影して那覇空港へ到着したのである。晴れが続いて渡り鳥が全部出て行ってしまった伊平屋島。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

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