【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!8月の富士山五合目 2015年8月25日(火)

7月に引き続き、下界の暑さから逃れて涼しい場所でのんびり探鳥することを目的にして富士山五合目に向かいました。本来ならば暑さが厳しい時期のはずですが、今年はたまたま大きな台風がしかも二つも関東に接近し、この日はたまたまそのうちの一つが九州地方に接近する中でのツアーでした。天気予報は運よく曇りで雨の予報は出ていませんでしたが、富士山五合目はどうでしょうか。
25日、この日は朝から曇り空でしたが、ひとまず雨は落ちてきてはいませんでした。JRの遅延があったことからやや遅れて08:15に東京駅前を出発。約1時間ほどして途中のサービスエリアに立寄りましたがここでも雨はなく、この時期特有の暑さも感じることはありませんでした。高速道路を降りてスバルラインに入った頃からは霧が立ち込める状況になり、所々視界が悪い場所がありました。しかし四合目を過ぎた頃からは晴れ間が見え始め、視界も良くなってきました。そして五合目の駐車場に到着した頃には時々晴れ間が見え、視界不良も全く感じない状況になっていました。ただ、快晴ではなかったことから予想以上に肌寒く、そのためか小鳥たちのさえずりもほとんど聞こえませんでした。11:00には観察を開始し、まずは2羽のヒガラが水場にやってきてくれました。そして続けざまに11:20にホシガラスが飛んできて驚かされました。ホシガラスはどちらかというと夕方に観察できることが多いのですが、この日はどういうわけか早めの登場でした。高山鳥の中では体が大きい種のため、距離が近いと迫力があり盛り上がる種です。さらに11:45にはタイトルにもなっているキクイタダキがやってきました。あらためてその小ささに驚くと共に最大の特徴である頭頂部の模様を観察する機会があり、黄色一色だったことからメスであることがよくわかりました。その後は鱗模様が特徴のルリビタキの幼鳥、小雨が降りだした中でしたがウソのオスとルリビタキのオスが水場にやってきて水浴びする様子を観察することができました。13:30からは奥庭荘裏にある遊歩道を歩きました。残念ながら霧が濃く、富士山頂を見ることができませんでしたが、仲良く採食する2羽のコガラ、そしてどこからともなく飛んできたホシガラスが木のてっぺんに止まって「ガーガー」としゃがれた声で鳴いてくれました。また視界不良ながらヤナギランの花が綺麗でした。14:30を過ぎた頃からは時より霧が風に流されてくるような状況になりましたが、ルリビタキのオスが何度か水場にやってきてくれ、ホシガラスの登場回数が増えてきました。ホシガラスはいきなり水場にやってくるのではなく、まず付近の木に止まって「ガーガー」と鳴いて水場周辺の様子をうかがうような行動をとることが多く、その後、いきなり水場に飛んでくるようでした。結局、夕方はほぼホシガラスを観察するのみといった状況になりましたが、大型で迫力ある姿を堪能することができました。予定では16:00までの観察でしたが、霧が濃くなってきたことから15:45には荷物整理を終えるお客様が多く、結果的には16:10に現地を出発しました。
今回は台風接近という状況の中、ご参加いただきましてありがとうございました。幸い雨に打たれることがない状況の中でしたが、予想以上に肌寒く、霧により一時視界不良もありました。事前に考えていたような状況ではありませんでしたが、東京から日帰りで高山鳥を観察することができる貴重な探鳥地です。今後も暑さが厳しい時期に企画したいと思います。この度はお疲れ様でした。

石田 光史

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