【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい!(追加設定)2023年3月8日

(写真:ヒレンジャク 撮影:島田眞司様)

冬鳥と呼ばれる野鳥たちは毎冬必ず渡ってくるわけではないため、バードウォッチャーにとってはこの冬に見られるのか見られないのか気になるものです。その代表種ともいえるのが今回タイトルにもなっているレンジャクの仲間。日本では主に2種が知られていますが、いずれも独特の風貌と群れで右往左往する行動、さらにはヤドリギとの共生という特徴などから毎冬注目されています。毎年、11月中下旬には北海道各地から飛来情報をいただいており、昨冬はどこからも情報がなかったものの、この冬は早い段階から飛来情報があったため期待していました。この日は天候が良いことはもちろん、最高気温が21℃ということで春を通り越して初夏のような陽気になるとの予報でした。

8日、早朝からすっきり晴れ渡っている東京駅前にご集合いただき予定通り08:30に出発してこの日は群馬県に向かいました。移動中は前回見られた鳥やレンジャク類の生態の話をはじめ、この日に見られそうな鳥の解説などをしながら進み、途中休憩を挟んでも2時間ほどで現地に到着しました。現地到着後は各自、観察機材の準備をしていただいてから観察を開始しましたが、すでに周辺のヤドリギにはヒレンジャクの姿がありました。観察を続けると周辺には前回を上回る数のヒレンジャクの姿があり、高木に群れで止まっている姿をまずは望遠鏡で見ていただきました。その後も盛んにヤドリギの実をついばむ様子や水を飲みにくる様子を観察してから公園内を歩きました。園内に入ると最近あまり見かけなくなったカシラダカが木に止まっていて、芝生広場にはムクドリ、ツグミの姿がありました。さらに歩くと間近にヤマガラがやってきて木の幹を登ったりしながら餌を探していて、地面にはシメの姿もありました。さらに歩いて別のヤドリギまで行くと、ここでも前回以上のヒレンジャクの姿があり、ここでは比較的低い位置にヒレンジャクがいたため、双眼鏡でもしっかりその特徴がわかりました。ある程度観察した後は、前回も見られたハチジョウツグミを探して歩いて行くと幸いにも地上で餌を食べているハチジョウツグミの姿があり、たまたまツグミと一緒に見ることができたため、その姿の違いを見ることもできました。バスに戻る途中に池をのぞいてみると、さすがにカモ類の姿は少なかったですが、コガモ、カルガモ、ハシビロガモが見られました。バスに戻った後は一旦、各自昼食の時間とし、その間に再度キレンジャクを探してみましたが、この日は出会うことができませんでした。昼食後は赤城山に移動し、前回見られたヒレンジャク、キレンジャクを探してみましたが、残念ながらこの日は周辺のヤドリギにレンジャク類の気配はなく、遊歩道を歩いていると上空でディスプレイフライトをする2羽のノスリが見られ、よく見るとさらに1羽の猛禽類が飛んでいました。両翼を持ち上げたようなスタイルと大きく膨らんで見える次列風切が特徴のクマタカで、見事な飛翔を見せてくれました。この日の最後は山を下って公園に向かいました。池をのぞいてみるとカルガモ、コガモ、カイツブリに混じって前回同様にかなりの数のオシドリが見られ、倒木に止まって群れている姿は見事でした。その後は園内を歩き、小川の周辺ではひたすら木をつついているコゲラが見られ、飛び立ったカシラダカが木に止まりました。広場では2羽のアトリが木に止まり、ほかにもシロハラ、アオジ、そしてここでも10羽ほどのカシラダカが見られました。その後は雑木林を歩き、ツグミ、シロハラ、そして最後は交尾しているノスリのつがいが見られ、一旦姿を消してしまいましたが最後は我々の頭上の木に止まって間近にその姿を見せてくれました。

この冬は早い段階からレンジャク類の飛来情報があったことから期待していましたが、その期待通りにレンジャク類が渡ってきてくれたようで、この日はキレンジャクに出会うことはできませんでしたが、数多くのヒレンジャク、そしてハチジョウツグミ、美しいオシドリ、またクマタカやノスリの飛翔も見ることができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

クマタカ 撮影:島田眞司様

 

ヒレンジャク 撮影:島田眞司様

関連記事

ページ上部へ戻る