【ツアー報告】春の渡り鳥を求めて!新潟県・粟島 2023年4月27日~29日
(写真:カラアカハラ 撮影:宅間保隆様)
27日、岩船港から粟島へ向かう海上は途中までは鳥影も薄かったが、少しずつオオミズナギドリが現れ始めると、次第に数が増え、すごい数のオオミズナギドリの群れが船を取り囲んだ。粟島へ行くようになってしばらく経つ私も、これだけの数のオオミズナギドリの群れを見た記憶はあまりないような、印象に残る数の大群であった。粟島到着後は宿で小休憩をして探鳥を開始する。ここの桜並木ではツグミ、シロハラ、ルリビタキ、ジョウビタキといった冬鳥の姿がよく目立つ一方で、キビタキやオオルリに代表される夏鳥の姿がまったく見当たらない。畑地を歩いても、やはり目立つのはツグミばかりであった。夕方は農耕地に場所を変えて歩くが、ここもツグミ、ジョウビタキの姿が目立ちヤツガシラの姿を発見することができた。発見時は隅にいたが、長い嘴で地面をつつきながら、観察しているとどんどんと近づいてきて、観察、撮影を楽しむことができた。
28日早朝、本日の観察を開始する。展望台では海上に飛び出しては戻って来るのを繰り返すヒヨドリの群れ、その様子をうかがいながら旋回を続けるハヤブサの姿が観られた。ホトトギスやサンショウクイといった夏鳥が上空を通過していき、竹やぶからはコマドリ、キビタキのさえずりが響いてきた。桜並木では相変わらずツグミ、シロハラが餌をついばんでいたが、昨日は見られなかったクロツグミやカラアカハラの姿が新たに観られた一方で、ルリビタキやジョウビタキの姿が減っており、一晩で状況がかなり変化したことがうかがえた。その後は昨日、観察したヤツガシラの観察に向かうと本日も観ることができたが、昨日のどんどん近づいてくる姿とはまったく異なり警戒心が強くなっており、少し人影を見つけると飛び立ってしまい、いよいよ渡っていくタイミングなのであろうか、落ち着きがない様子であった。
29日、本日も早朝から太陽が輝き、風もほとんど感じられず、天気に問題はなさそうだ。早朝は昨日同様、渡ろうと海に飛び出すヒヨドリの群れが見られたが、昨日よりも群れの規模は小さいようだ。他にもシジュウカラ、メジロ、コムクドリなどの群れが次々と穏やかな海の上へと飛び出していくのが見られた。桜並木では今朝もカラアカハラの姿が見られたが、一昨日にあれだけ多く見られたツグミもほとんど見られなくなり、わずかに1、2羽が見られるのみとなっていた。朝食後は畑を歩くが、2日間続けての好天が続いたせいか、渡り鳥の数は大きく減って静かな様子であったが、新たにハチジョウツグミとオオジシギの姿を見つけることができたが、一昨日、昨日と観察できたヤツガシラの姿は見られなくなっていた。訪れる度はもちろんですが、滞在中も毎日のように様子が変わるのが渡りの島の醍醐味でもあり、今回もその様子を、身をもって味わうことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
田仲 謙介