【ツアー報告】西日本屈指の渡り鳥の中継地 春の対馬 2024年5月5日~7日

(写真:シマノジコ 撮影:坂東俊輝様)

羽田空港出発時は晴天で季節外れの暑さでしたが、西に向かうにつれて天気が崩れて、福岡から対馬に向かう飛行機は着陸できない場合は福岡空港に戻る、という条件付きでの離陸となりました。対馬行きの飛行機は多少の揺れはあったものの予定通りに到着しました。空港で探鳥の準備を整えてから雨が降るなかを、最初の探鳥地まで向かいます。到着してコムクドリとムクドリの混群を見ていると、お世話になっている対馬野鳥の会の方と合流してくれて、ツバメチドリを教えてもらいましたが、観察をしている最中から次第に雨、風共に強くなってきたので、少し足早に歩き、タイワンハクセキレイとツメナガセキレイが見られたというポイントに向かいましたが、荒天のなかでは見つけ出すことが出来ませんでした。その後、チュウシャクシギやセイタカシギ、水田に集まるサギ類などを観ますがが、風雨が弱まることがありませんでしたので、予定より少し早めに投宿して初日の探鳥を終えました。

夜に雨がかなり降ったようで、ホテルの窓に大粒の雨粒が幾つもついています。外に出ると霧雨が降っているものの、雨雲も薄くなっており、今日の天気は大丈夫そうです。2日目の本日は先ずは水田まで向かいますと、サギ類が多く群れており、アオサギだけで30羽以上集まっていましたがが、サギ類以外の鳥影は薄く、鮮やかな黄色が美しいツメナガセキレイを1羽確認するにとどまりました。次いで向かった探鳥地はどちらも今ひとつのまま、午前中の探鳥を終えるとオウチュウが出ているという話が舞い込んできましたので、午後はまず向かいますが、現地にいた方に伺うと、すでに飛び去ってしまい行方不明になっているとのことでした。飛び去った、という方向へ歩いて探してみますが見つからなかったのですが、戻る途中で国内では観察する機会の少なくなったシマアオジを観察することができました。その後、昨日も訪れた水田を歩くとコホオアカやキマユホオジロの姿が見つかったことから、昨晩の雨で多少、ホオジロ類が入ってきたようです。そして途中で出会ったバーダーからシマノジコ雄の写真を見せてもらい、話を聞くと、つい先ほど出てきたということでしたので、急ぎその場所に向かって、探すと2羽の雄のシマノジコが現れ、美しい色を楽しませてくれました。

最終日の本日も空を見る限り、青空が見えて天候は問題無さそうです。朝食後、本日はまず水田へと向かいます。バスを降りると強風か吹き荒んでいて、小鳥の観察には厳しい条件であったのですが、2羽のマミジロタヒバリと、ツメナガ、マミジロ、シベリアの3亜種のツメナガセキレイ各亜種を観察することができました。その後は今回、連日訪れている場所を移して、ここでカラアカモズと思われるアカモズと、雌雄のシマアオジを観察して、今回の観察を終えました。

全体的には渡り鳥の数が少なく感じられる今回の対馬でしたが、そのなかでキマユホオジロ、シマアオジ、シマノジコなど張りを彩るホオジロ類とオウチュウ、マミジロタヒバリ、アカモズなど対馬らしい渡り鳥を観察する機会に恵まれました。ご参加いただきました皆様、現地でご協力いただきました対馬野鳥の会を始めとする、お会いしたバーダーの皆様、どうもありがとうございました。

田仲 謙介

キマユホオジロ 撮影:刈田宏様

 

コホオアカ 撮影:近藤俊三様

 

シマアオジ 撮影:上野達雄様

 

マミジロタヒバリ 撮影:坂東俊輝様

 

オウチュウ 撮影:刈田宏様

 

ノジコ 撮影:近藤俊三様

 

ツメナガセキレイ 撮影:上野達雄様

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