【ツアー報告】フォトツアー八東ふる里の森 2024年5月22日~23日

(写真:ゴジュウカラ 撮影:高木信様)

今回訪れる八東ふる里の森は深いブナ林のためアカショウビンやコノハズク、オオコノハズクといった魅力的な野鳥たちが生息しており、以前からツアー企画を考えてはいましたが、設備面での問題がありなかなか進まない状況にありました。ただ管理会社が変わったことから設備面で大きな変化があり、食事の提供も可能になったことから旅行会社目線で考えた時になんとかお客様をご案内できる状況になったと判断しました。ここまでコノハズクを狙ってのツアーは企画してきましたが、数年前からはさらに出会うことが難しいアカショウビンの撮影をメインにしたツアーを企画しました。例年通り早い段階から情報収集していましたが、今期はアカショウビンが例年に比べて少々早く渡来したとのことでしたが、早朝の冷え込みが厳しいせいか、さえずりはまだまだ激しさがないとのことでした。ただ直前の情報では早朝からアカショウビンがよく鳴いているとのことで期待しての出発となりました。

22日、今回は幸いにも両日ともに晴れマークの天気予報が出ていましたが、前日になって木曜日は曇り予報に変わっていました。前日に姫路まできていましたが思った以上に蒸し暑く、本当に現地は冷え込んでいるのかと思ってしまうほどでした。この日は朝から薄曇りながら雨の心配はなさそうで、前日に引き続いて蒸し暑くなってきていました。集合時間の11:10にご集合が完了したことから早速、八東ふる里の森に向けて出発しました。予定では途中にある道の駅で昼食の時間をとることになってはいましたが、バス駐車場が狭く止めづらいことからさらに進んで別の道の駅を目指しました。到着後はバスを止めて時間をとり、ひとまず各自昼食をとっていただき、その後はのどかな田園風景を眺めながら進み、いよいよ八頭町までやってくると、ここからはくねくねした山道を20分ほど走っていよいよ目的の八東ふる里の森に到着。到着後は荷物を持って管理棟まで移動し、ここで部屋の鍵を預かるとともに現在のアカショウビンの状況をうかがいました。そして今季、最もよくアカショウビンの気配のある場所で時間を使ってみることにしました。沢沿いではミソサザイがさえずり、周辺ではシジュウカラやヤマガラが騒いでいました。1時間ほど経っても動きがないため、もう一本の沢に沿って歩いてみました。ここもいかにもアカショウビンがいそうな環境ですが、ここでも気配はなくキビタキやオオルリのさえずりが響いていました。さらに奥まで進むと、斜面を歩きながら餌を探すカケスが見られ、戻る途中にはアオバズクが飛んできて木に止まりました。そして再び最初に行った場所で時間を使ってみましたが、この日はアカショウビンの声を聞くこともなく、間近にやってきたゴジュウカラの親子を見てこの日の探鳥を終え、夕食は豪華なバーベキューと地元産のお米を堪能させていただきました。

23日、昨夜はコノハズク、そしてバンガローのかなり近くで鳴いているアオバズクの声を聞きながらいつの間にか寝てしまい、まだまだ真っ暗な04:00に目を覚ますと同様にコノハズク、アオバズクの声が聞こえ、アカショウビンのさえずりも遠くから聞こえてきていました。まずは昨日同様に今季一番アカショウビンの声が聞こえているという沢に行ってみましたが、残念ながら姿はなく、そのためしばらく待機して出現を待ってみました。するとこの日はあちこちからアカショウビンのさえずりが聞こえたため、その都度、声がするほうに行ってみました。ただどの声もかなり距離があり、緊張感を持って探せる感じではありませんでした。その後、07:30から朝食をいただいた後は管理棟付近で声がするのを待ってみました。天気が良くなってきたせいか、周囲からはアオバト、ツツドリ、ジュウイチなどの声も聞かれ、付近で繁殖しているキセキレイが何度も間近にやってきてくれました。ただなかなか打開策がないため10:30頃からはバスを使って沢の下流沿いで探してみることにしました。この一帯も本当に環境が良く、どこにアカショウビンがいても全くおかしくない雰囲気でした。ただここではアカショウビンの声を聞くこともなく観察を終えることになり、最後の1時間余りは再び園内で探鳥してみました。この時間も残念ながらアカショウビンの声は聞こえず、間近にやってくるシジュウカラやヤマガラ、ゴジュウカラ、そして川沿いを飛び回るカワガラス、突然「ピョーピョー」と鳴きだすアオゲラなどを見ながら過ごし13:00には探鳥を終了して荷物を整理し、13:15には現地を出発して途中、道の駅で休憩をとって姫路駅に向いました。

数年前からようやくツアー企画できることになった八東ふる里の森。過去、コノハズクやアオバズクといった野鳥を楽しむことができましたが、今回はアカショウビン集中型のフォトツアーでした。時期的には狙い通りで2日目は頻繁にアカショウビンのさえずりが聞こえたものの結果的にはその姿を捉えることができませんでした。ただ短い時間ながら瑞々しいブナ林の中で過ごし、シジュウカラやヤマガラ、ゴジュウカラ、アオゲラ、カワガラス、キセキレイなどが見られ、キビタキやオオルリ、そしてツツドリやジュウイチ、夜はコノハズクやアオバズクの声に包まれ、非日常の体験をすることができました。また現地では豪華なバーベキューでもてなしていただくなどスタッフの皆様の心遣いもありがたく思いました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

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