【ツアー報告】西日本屈指の渡り鳥の中継地 対馬 2025年5月2日~4日

(写真:マミジロキビタキ 撮影:宅間保隆様)
2日、曇天の羽田空港とは変わって晴天の福岡空港に到着すると、定刻より少し遅れて到着したため、空港係員の案内で待機していた車に乗って、対馬空港行きの飛行機に直接、乗り込みます。対馬には予定通り、定刻に到着しましたが本日はあまり時間が無いので、南部の2ヶ所の探鳥地に絞って観察することとします。まずはムナグロ、ヒバリシギ、セイタカシギといったシギ、チドリ類が観られましたが、期待していたホオジロ類はアオジが1羽観られたのみでした。次いで訪れた場所でも美しい夏羽のアカアシシギ、トウネン、タカブシギ、ジシギの一種などが観られましたが、それ以外の鳥は少なく、ツメナガセキレイが観られた程度でした。シギ・チドリ類以外の鳥の姿が少ないため、猛禽類の目もシギに向くのか、若いハヤブサがアオアシシギを襲う一幕も目にすることとなりました。
3日、本日は先ず訪れた畑地ではキマユホオジロやシベリアアオジ、コホオアカなど春を彩るホオジロ類が観られました。 次いで訪れた農地では先ほどと同じようにキマユホオジロなどが現れ、超低空をアカハラダカの雌が飛んでいくところを観察することができました。 しかし順調だったのも午前中の観察までで、昼食を終えると望遠鏡を覗くのも厳しいほどの強風が吹き、午後にさまざまな場所を訪れますが、どの探鳥地も風が強く、強風に加え雨粒も灰色の空から落ちてきました。天気予報を見ると日没までは雨は止まない予報であったので、バスで瀬の農耕地に移動して車内より農耕地の鳥を探しますが、強風を避けるために隠れてしまっているのか、鳥影が薄かったので予定より少し早くホテルに戻ることとします。
4日、今日は半日しか時間が無いので、まず昨日遅くに見つかったというイワミセキレイを探しに向かいますが、今日は早朝に出たっきりということで期待に反して残念ながら観られずでしたが、周辺では2羽のコウライウグイスの声を聞くことができました。 同じ種でありながら、2羽がまったく違う声で鳴いており、1羽はネコのような声で鳴くのですが、もう1羽は美しい声で囀っており、この鳥の鳴き声の豊富さに驚かされました。 次いで気持ちを切り替えて狙うは、周辺で出ていたマミジロキビタキです。こちらはポイントに到着するとすぐに明朗な囀りが聞こえてきながらもなかなか姿を捉えられずもどかしい状態が続きましたが、一度姿を捉えてからは周辺を忙しく動きまわる鮮やかなオスを観察することが出来ました。 そして急ぎ足で最後の目的地へと向かいます。ここの畑地では昨日同様にキマユホオジロを中心にコホオアカ、シベリアアオジなど春のホオジロ類が揃っていましたが、狙っていた今朝、見つかったというシマアオジの姿を探している途中でタイムアップとなり、後ろ髪を引かれる思いで観察を終えました。
今回はもっとも時間を使える2日目の午後が悪天候になってしまい、充分な観察が出来なかったのが残念でしたが、キマユホオジロを始めとするホオジロ類、ツメナガセキレイ各亜種、マミジロキビタキなどの春の島の渡りならではの鳥たちと出逢うことが出来ました。 ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
田仲 謙介