【ツアー報告】漁港の海鳥を満喫!冬の銚子と波崎 2022年3月10日

(写真:メジロガモ 撮影:宮沢安二郎様)

冬には誰もが一度は訪れるであろう探鳥地が今回訪れる銚子と波崎ではないでしょうか。ただ地図で見るよりも実際には意外と遠く、交通のアクセスも悪いためなかなか足が向かないものです。今回はタイトルには「冬」とつけましたが時期的には春に向かっていく時期で冬羽だった海鳥たちが続々と夏羽に変わり始め、特にカイツブリ類は冬に見るものとは全く異なった姿になっている個体も多く、地味ながらカモメ類も頭部が真っ白に変わって夏羽になりつつある個体が増えてきています。またこの時期は外洋が荒れることが多いため、外洋性の海鳥たちが漁港内に入ってきていることも多く何かと楽しみな時期でもありますが、この冬はカモ類、カモメ類ともに飛来数が少ないらしく、あまり数が見られていません。ただ幸いにも当日は天候には不安はなく、しかも東京の最高気温は18℃、現地も12℃で風もなく初夏のような陽気となりました。

10日、この日は早朝から快晴の中、予定通りに08:30に出発して茨城県の波崎港に向かいました。移動中のバス車内ではこの日に見られる可能性が高い種の中から、主にカイツブリ類、カモメ類の識別について予習しながら進み、春というよりは初夏のような陽気の波崎港に到着しました。到着後は観察機材の準備をしていただいてから直前に情報をいただいた珍しいメジロガモを見に行ってみました。うまくタイミングが合うか心配でしたが、到着すると目の前にその姿があり、思わぬ形であっさりと観察することができました。観察後は付近の港でオカヨシガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、スズガモ、カンムリカイツブリなどが見られ、観察しているといつの間にか上空を2羽のコウノトリが旋回飛翔していました。その後は波崎港に移動すると漁港内には50羽ほどのハジロカイツブリが群れを作って潜水と浮上を繰り返していました。よく見てみると完全な夏羽に換羽した個体から冬羽の個体までさまざま見ることができ、さらには求愛行動をしている個体もいました。また漁港内には少ないながらもクロガモ、ウミアイサ、アカエリカイツブリ、カンムリカイツブリ、砂浜にはクロサギの姿もありました。その後は堤防でユリカモメ、ウミネコ、カモメ、セグロカモメ、ウミウ、カワウ、ヒメウなどを見てから銚子漁港に移動して各自昼食の時間としました。昼食後は漁港を順にめぐり、まずはシロエリオオハムを発見。外洋性の海鳥ではありますが、この時期は比較的外洋が荒れるため漁港内に逃げ込んでいることが多く、今回も個体もやや疲れ切っているような印象でした。ほかにも2羽のアカエリカイツブリの姿があり、うち1羽は夏羽がやや出ていて首が橙色に変わっていました。その後はカモメ類が群れている場所を探しましたが、この日はなかなか良い場所がなく、ようやく見つけた堤防もやや距離がありました。ただここではセグロカモメ、オオセグロカモメに混じる2羽のワシカモメの姿があり、ほぼ夏羽に変わった美しい個体でした。またミツユビカモメの姿もあり、最初はかなり距離があったものの、観察していると間近を飛び回ってくれ、最後はテトラポットに止まったため望遠鏡を使ってじっくり観察することができました。その後はさらに波崎漁港に戻りましたがカモメ類の姿がなく、再度銚子漁港に戻ってみると、ようやくユリカモメが乱舞している場所があり、ここで最後に観察をすることにしました。するとようやく夏羽のシロカモメに出会うことができ、ここでこの日の観察を終了しました。

初夏のような陽気になった今回の銚子、波崎。全体的にカモ類、カイツブリ類、カモメ類共に例年よりもかなり少ない印象でしたが、カモメ類8種、カイツブリ類3種、そしてシロエリオオハム、クロサギ、クロガモ、ウミアイサ、そして珍しいメジロガモや放鳥個体ながらコウノトリにも出会うことができ、夏羽に換羽したハジロカイツブリが混じった群れの行動は見ごたえがありました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ハジロカイツブリ 撮影:上野達雄様

 

ミツユビカモメ 撮影:宮沢安二郎様

 

シロカモメ 撮影:上野達雄様

 

コウノトリ 撮影:宮沢安二郎様

 

アカエリカイツブリ 撮影:上野達雄様

 

ハジロカイツブリ 撮影:宮沢安二郎様

 

ワシカモメ 撮影:上野達雄様

 

ワシカモメ 撮影:宮沢安二郎様

 

シロエリオオハム 撮影:宮沢安二郎様

 

クロサギ 撮影:宮沢安二郎様

 

アカエリカイツブリ 撮影:宮沢安二郎様

 

クロガモ 撮影:宮沢安二郎様

 

シロカモメ 撮影:宮沢安二郎様

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