【ツアー報告】漁港の海鳥を満喫!冬の銚子と波崎 2025年12月21日

(写真:ハジロカイツブリ 撮影:小林浩様)

関東圏で冬に絶対に行きたい探鳥地といえば銚子漁港でしょう。カモメ類、カイツブリ類、海ガモ類といえば、まず真っ先に思いつく探鳥地であることは間違いないし、特にカモメ類観察に関しては日本一といっても過言ではないはずです。ただ、銚子漁港は地図で見るよりも実際には意外と遠く、交通のアクセスも悪いためなかなか足が向かないのも事実で、その点からいえばツアー向きと言えるでしょう。比較的大人数でも鳥や環境に影響を与えることがなく、難解なカモメ類の識別に関してはむしろ大人数でいろいろと話し合いながら行ったほうが楽しいものです。ただここ数年は越冬しているカモメ類の数が少ないそうで新聞記事にもなるほどです。その一方、最近では極めて珍しいヒメカモメやチャガシラカモメといったカモメ類が記録され、さらにはオオホシハジロ、メジロガモも記録されました。ただこの日はそもそも天気予報が芳しくなく、終日雨予報が出ていました。

21日、この日の東京駅前は早朝から雨かとおもいきや、意外にも空は曇り空ながら比較的明るく、雨はまだ落ちてきていませんでした。ほぼ予定通りご集合が完了したことから08:00に東京駅前を出発してまずは東関東道を走りました。移動中のバス車内ではこの日に見られる可能性が高い種の中から、主にカイツブリ類、カモメ類の識別について予習しながら進み、途中、サービスエリアでの休憩を挟んだ後は一旦、高速道路を降りて茨城県の波崎港に向かいました。この頃からは小雨が降ってきてはいましたが、それほど気になるものではありませんでした。まずは運動公園の駐車場で各自、観察機材の準備をしていただいてからまず波崎港を見てみました。この冬は小鳥類は比較的数多く渡ってきているようでしたが、カモ類やカイツブリ類は極端に数が少なく、この日の波崎港内もかなり閑散としていてウミアイサのメスが見られたのみでした。やや場所を変えると10羽ほどで群れているハジロカイツブリの姿があり、本来であれば潜水と浮上を繰り返していることが多いものの、たまたま羽繕いをしていたことからじっくりと見ることができました。さらに歩くとカンムリカイツブリが間近に浮上し、テトラポットにはウミウが群れていました。その後は場所を変えて堤防に並ぶカモメ類を見てみました。最近はカモメ類の姿が極端に少ないことが多いのですが、この日は天候が悪く、外洋が荒れていたこともあって、カモメ類の個体数はかなり多い印象で期待が持てましたが、ここではかなりの数のユリカモメ、セグロカモメ、ウミネコに混じるオオセグロカモメがいたことからセグロカモメとの背の色の濃さを比較することができました。さらに場所を変えるとホシハジロの群れに混じるキンクロハジロ、ハシビロガモ、カイツブリが見られ、堤防にはウミウに混じるヒメウの姿がありました。観察後は一旦、銚子大橋を渡って千葉県の銚子漁港に移動し、ここでも堤防に並んでいるセグロカモメ、オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメを見てから昼食の時間にしました。午後からは銚子漁港を順番に見ながら進み、最初の港では同様にカモ類が少ないながらも1羽のクロガモが見られ、10羽ほどのカンムリカイツブリがのんびりと海上で休んでいました。また飛んでいるクロサギも見られました。少々場所を変えるとスズガモが群れ、遠くのテトラポットには1羽のコクガンが休んでいました。その後はようやくカモメ類の大きな群れが堤防上にいたことから順番に見ていきましたが、ここでも足が黄色いセグロカモメが1羽いたのみで大型カモメのバリエーションはありませんでした。その後14:00を過ぎた頃からはやや雨足が強まる中での探鳥になり、再び波崎港からもう一度巡ってみました。風雨が強まる中での探鳥になってしまい、また特に顔ぶれが変わることはありませんでしたが、基本種のセグロカモメ、オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメを見ながら進め、周囲が薄暗くなってきた16:00まで探鳥して16:30には現地を出発しました。

そもそもの天気予報がかなり悪い予報ではありましたが、結果的には雨の影響を受けたのは最後の2時間ほどだけで助かりました。コクガン、クロサギ、ハヤブサ、イソヒヨドリなどが見られましたが、今期はカモ類、カイツブリ類の姿が少ない傾向のようで、この日もカンムリカイツブリやハジロカイツブリ、クロガモ、スズガモ、ウミアイサなどが見られたものの個体数が少ない印象でした。一方、カモメ類は水揚げはなかったものの天候が悪かったせいか、漁港内では比較的多く見ることができ期待が持てました。ただバリエーションが多くはなく、基本種のセグロカモメ、オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメが見られたのみで残念でした。ぜひ今後も海鳥類を見に銚子、波崎にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ユリカモメ 撮影:大竹夏美様

 

カンムリカイツブリ 撮影:小林浩様

 

セグロカモメ 撮影:小林浩様

 

ユリカモメ 撮影:小林浩様

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