【ツアー報告】空の王者 イヌワシに会いたい! 2016年8月6日~7日

(写真:イヌワシ 撮影:高木信様)

この時期になると暑さが厳しくなり外に出るのも億劫になるものです。また最近は異常な高温の日が多く危険すら感じることもあるようになりました。そういった事情もあり、盛夏の頃は国内のバードウォッチングは一休みといった状況になりますが、なかなか行く場所が見つからないからこそ、涼しい場所で長時間の定点観察を行い、目的の鳥をピンポイントで狙うツアーを企画しました。目的の鳥は国の天然記念物に指定され、国内生息数が500個体ほどとされるイヌワシです。広大ななわばりをもって生活するイヌワシと出会うには視界の良い場所からの長時間の定点観察が必須です。今回は土曜日、日曜日の2日間に渡って観察を行う1泊2日班と、それぞれ日帰りでご参加いただける2本の日帰りツアーをミックスさせた編成でイヌワシの出現を待つことにしました。

6日、心配された天気予報は両日共に問題なく、この日の東京駅も早朝からかならいの暑さでした。新幹線は快調に進み、まずは米原駅に到着しました。ここで現地集合のお客様、そして日帰りツアーでご参加のお客様と合流して暑さから逃れるように伊吹山ドライブウェイに向かいました。途中の道路に設置された温度計は32℃と表示されていましたが、ドライブウェイ入り口にある頂上付近の温度は24℃と表示されていました。バスはくねくねと曲がる道を走って山頂駐車場を目指しましたが、なんと驚いたことにバスのすぐ脇の谷間からクマタカが舞い上がり、間近を悠々と旋回飛翔してくれました。さすがにバスを止めることはできませんでしたが、美しい翼下面の模様や幅の広い翼の特徴まで見ることができました。山頂駐車場でトイレ休憩、そして熱中症対策に水などを買っていただいた後は探鳥ポイントに移動しました。この日はそれほど時間もないことから究極の一点狙いをすることにしました。イヌワシ発見にはとにかく広い視界を確保することは必要ですが、まさにここはその要素を満たしています。山頂付近は谷から吹きあがってくる霧で視界不良のようでしたが、この場所は大丈夫でした。待っている間は間近にホオジロがさえずり、ホトトギスやイカルの声が聞こえていました。また双眼鏡で覗くと無数のツバメ、イワツバメが飛翔していました。残念ながらイヌワシの出現する雰囲気がなく、時間ばかりが過ぎてしまいましたが、ようやく終了15分前の16:25に過去の出現データとは全く異なった方向からイヌワシが低く現れ、あっという間に対岸の岩場に止まりました。この場所に来ると比較的長時間滞在することからほっと一安心。その後は予定を延長して17:00まで観察し、その鋭い表情まで望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。

7日、朝から暑い米原駅前を08:30に出発して昨日同様に伊吹山ドライブウェイを走りました。この日は山頂付近の気温は19℃。かなりの涼しさが期待できました。驚いたことにこの日もバス車内から飛翔するクマタカの姿が見られ、前日同様に一度山頂駐車場に立ち寄ってからポイントに向かいました。到着してすぐに我々の背後をイヌワシが飛翔し、期待が持たれましたが稜線に隠れたままその後は姿を見せませんでした。12:30に一旦山頂駐車場に移動して昼食を兼ねて2時間ほど探鳥した後、再び最初のポイントに移動しました。この日は前日に比べると涼しい中での探鳥でしたが、なかなかイヌワシが姿を見せてくれませんでした。しかし14:30にようやく正面の稜線に姿を現し、そのまま対岸の林へ消えていきました。角度は良くありませんでしたがようやく飛翔形を見ることができました。おそらく戻ってくるだろうと待っていると16:15にいつの間にか飛んできて対岸の木に止まりました。やや不安定な感じでしたが止まっている状態で見ることができました。観察しているとイヌワシは飛び立ち一旦稜線裏に消えましたがふわっと稜線の上に現れたかと思うと、急降下して岩に止まってくれました。ただ、今回はあまりゆっくりとはしてくれずに対岸の林に向かって飛び立っていきました。その後は数回遠くを旋回する姿を観察して終了しました。

今回は幸いにも2日間共に好天に恵まれ、長時間に渡る定点観察をほぼ予定通り行うことができました。その甲斐あって両日共にイヌワシの姿を観察することができました。普段まず見る機会のない大型猛禽類のその姿は見事で風格すら感じさせるものがありました。良いシーンに出会うためにはかなりの時間を要しますが、今後も夏恒例のツアーとして企画する予定ですので、何度となくチャレンジしてさらに良いシーンを狙ってみてください。今回はツアーとしては珍しい長時間の定点観察お疲れ様でした。

石田光史

イヌワシ 撮影:須﨑明男様

イヌワシ 撮影:須﨑明男様

 

イヌワシ 撮影:須﨑明男様

イヌワシ 撮影:須﨑明男様

 

イヌワシ 撮影:須﨑明男様

イヌワシ 撮影:須﨑明男様

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