【ツアー報告】夏休みに行く!東京~小笠原父島航路 2016年8月26日~28日

(写真:アオツラカツオドリ 撮影:米持千里様)

すっかりお馴染みとなった東京と小笠原父島を3日間で往復する南方系の海鳥観察に特化したツアーです。通常、小笠原への旅は船の運航計画から最短で5泊6日となりますが、夏には3日間で東京と小笠原父島を往復する日程が組まれるため、忙しくてなかなか小笠原に行くことができない方も曜日によってはご参加しやすいことになります。今回はたまたま金曜日出発の3日間ということもあり早々と満席となりました。この時期は海鳥観察としては必ずしもベストシーズンではありませんが、秋に北上してくる珍しい海鳥に出会える確率が高く楽しみな時期です。ただ、今回は西に進路をとった台風10号がUターンしてくるという珍しい状況になり出発が危ぶまれました。ただ幸運にも台風のスピードが遅く、結果的には我々が乗船する往復便は出航できる判断となりました。コースとしては台風に向かうように父島に進み、到着後は台風から逃げ帰るように東京へ戻る3日間になりそうです。

26日、快晴でとても暑い東京竹芝桟橋に10:00にご集合をいただき乗船券、資料配布をさっと済ませると、乗船券に書かれている番号順にアナウンスがあり乗船開始となりました。この7月に就航した新おがさわら丸は定刻の11:00に小笠原父島を目差して出航しました。出航後はウミネコやウミウを見ながら穏やかな海を進みましたが、東京湾を出る14:00にはいきなり4m近い大きなうねりがあり船体が大きく揺れはじめました。この状況が続くのかと心配されましたが大きなうねりは30分ほどで収まり、その後は2mほどのうねりの中を飛ぶオオミズナギドリを見ながら進んでいきました。15:05、15:15には早くもアナドリの姿があり、その後16:00頃からは海況はかなり良くなりましたが、16:45には再び波が立ってきました。17:00には複数頭のハシナガイルカと思われるイルカが何度もジャンプをして楽しませてくれ、この日は18:15に観察を終了しました。

27日、04:00に起床して04:30には観察を開始しました。日の出は05:10のためまだまだ薄暗かったですが、ムッとするような暑さはなく、うねりも2mほどで台風の影響は感じられませんでした。05:00に早速セグロミズナギドリが飛び、うねりの中を複数のアナドリ、オナガミズナギドリが飛んでいました。05:50にはシロハラミズナギドリが下面の白を輝かせるように飛翔し、いよいよ小笠原航路らしくなってきました。06:20には船尾から白っぽいカツオドリが接近してきたことからアカアシカツオドリかと思いましたが、これがなんとこの航路では極めて珍しいアオツラカツオドリだったためデッキ上はお祭り騒ぎになりました。しかもこの個体は30分近く船体にまとわりつくように飛翔してくれたためじっくりと観察することができ、気がつくと他にもカツオドリが十数羽まとわりつくように乱舞していました。その後は08:00にオナガミズナギドリと一緒に飛翔するアカアシミズナギドリが見られ、08:40にはクロアジサシが現われました。観察は10:00で一旦終了し、その後は各自荷物整理などを行い11:00の父島到着後に一旦下船、その後はクルーザーをチャーターして2時間ほどのクルージングを行ないました。台風接近の影響から波が高くなりつつある中だったため南島を周遊するコースは諦め、カツオドリが数多く見られる波が穏やかな場所に絞ってゆっくりと航行していただくことにしました。外洋はかなり荒れていましたが、さすがはこの海域を知り尽くした船長の判断の良さもあって、穏やかな場所に回りこんでいただいたため船上からカツオドリの姿をじっくりと見ることができ、中には可愛らしいヒナの姿もありました。定期航路からは飛翔する姿しか観察できませんが、このクルーズでは岩礁に止まっている姿など、普段とは違ったカツオドリの姿が見られました。また島内散策をされたお客様はムナグロ、キョウジョシギ、オガサワラノスリ、そしてハシブトアジサシの姿を見ることができたそうでした。下船後は慌しく過ごしましたが3時間半後の14:30には再びおがさわら丸に乗船して東京へ向いました。この頃にはいよいよ台風の影響が見え始め、波は高くなり空はどんよりと雲っていました。出航後はお馴染みとなったクルーザーによる「世界一の見送り」を堪能してから観察開始となりました。出航後はしばらくアナドリの乱舞が見られ、比較的船体近くを飛翔したことからじっくりと観察することができました。また間近に着水しているオナガミズナギドリの群れが船に驚いて飛び立つと、その中に混じっていたクロアジサシも飛び始めたため、その飛翔を観察することができました。また16:30にも3羽のクロアジサシが間近を飛翔したことから、じっくりとその姿を観察することができました。ただ17:30にはかなり薄暗くなり激しい雨と共に雷が鳴り始めたため観察を終了しました。

28日、この日も同様に04:00に起床して04:30にはデッキに向いました。この日は台風から離れたこともあり天気も良く暖かい朝で、05:10には見事な日の出が見られました。早朝はまだまだ八丈島よりもかなり手前を航行していることからオナガミズナギドリが飛びましたが、その後は切り替わったようにオオミズナギドリが次々に現われました。06:15には船体下から浮き上がるようにシロハラミズナギドリが現われて僅かな時間ながらもその美しい姿を見せてくれ、06:20には水平線の上をヒラヒラと飛翔するセグロアジサシが見られました。07:00には相変わらずアナドリが独特の飛翔を見せ、07:10にはようやくこの時期らしいハジロミズナギドリが現われて船体脇にまとわりつくように飛翔してくれたため翼下面の2つに分かれた白斑を見ることができました。その後は急に波が高くなり、所々でオオミズナギドリの大群が見られ07:20にはその中にコシジロウミツバメの姿がありました。その後も08:30、09:30にハジロミズナギドリが見られ、どんどん海況が悪くなる中、09:35にはクロアシアホウドリが現われました。10:00にはかなり飛沫を受ける状況の中、デッキ奥に逃げるように観察を続行しましたが幸運にもアカアシカツオドリが見られ、その後も10:00にアナドリ、10:20、10:40に再びクロアシアホウドリの姿がありました。時化模様は続きましたが東京湾内に入った12:00には波はすっかり収まり、探鳥もここまでということで探鳥は12:30までとしました。

今回は迷走する台風10号の進路を見ながらという状況の中、しかも次便の29日東京発が早々に欠航となる中での出発となり、かなりひやひやさせられました。ただ我々が乗船した便は大きな問題もなく東京と父島を往復することができ幸運でした。欲を言えばきりがないのですが、シロハラ系の珍しい種を探しあてられなかったことは残念でした。ご存知の通り、海鳥観察は海況が悪いほうが良いわけでかなり期待していましたので重ねて残念でした。ただ、この航路では極めて珍しいアオツラカツオドリを長時間に渡って観察でき、帰りにはハジロミズナギドリも見られました。また小笠原航路が初めてだったお客様には基本5種を見ていただけたと思いますので、それはそれで成果があったと思います。海鳥観察ツアーは今後もさまざまな季節にさまざまな航路で企画していきますのでご期待ください。この度は長時間の航路探鳥お疲れ様でした。

石田光史

アオツラカツオドリ 撮影:須崎明男様

アオツラカツオドリ 撮影:須崎明男様

 

カツオドリの親子 撮影:米持千里様

カツオドリの親子 撮影:米持千里様

 

オナガミズナギドリ 撮影:須崎明男様

オナガミズナギドリ 撮影:須崎明男様

 

ハジロミズナギドリ 撮影:米持千里様

ハジロミズナギドリ 撮影:米持千里様

 

アナドリ 撮影:須崎明男様

アナドリ 撮影:須崎明男様

 

カツオドリ 撮影:米持千里様

カツオドリ 撮影:米持千里様

 

アカアシミズナギドリ 撮影:須崎明男様

アカアシミズナギドリ 撮影:須崎明男様

 

クロアジサシ 撮影:米持千里様

クロアジサシ 撮影:米持千里様

 

関連記事

ページ上部へ戻る