【ツアー報告】早春の漁港巡り 銚子と波崎 2015年3月8日(日)

カモメ類が夏羽に換羽をし始め、冬の観察時とは全体的な印象が変わりつつある早春の時期に、あらためてカモメ類と漁港内にいる海ガモ類、カイツブリ類などを観察する定番ツアーです。当日は残念ながら天気予報が悪く、前日の予報までは曇り時々雨でしたが、当日は天気予報がさらに悪くなり、結果的には終日雨の中での探鳥となってしまいました。
予定通りに東京駅前を出発しましたが、早くも霧雨が降り、最初の休憩の時にはしっかりとした雨になっていました。到着後はトイレと観察機材の準備、そして雨対策を十分にしていただき探鳥を開始しました。この時点でも雨の降り方は激しかったためバスで各漁港を巡り、バスを風下側の窓を開けて車内から観察をすることにしました。この時期はハジロカイツブリの群れが目立ち、塊状になって潜水、浮上を繰り返していました。よく見るとまだまだ冬羽のままの個体、すっかり夏羽に換羽した個体が入り混じっていました。また今年の冬に多く見られているクロガモは健在で、この日もすぐ間近に浮いている群れを見ることができました。カモメ類は風を避けるように草地の地上に群れていて、当地での基本となるセグロカモメ、ウミネコをまずはしっかりと見ていただき、一旦昼食の時間としました。昼食後はカモメ類が群れている場所で待機して観察を行い、堤防上にいるワシカモメ成鳥、さかんに餌を探すシロカモメ成鳥を観察し、一旦場所を変えることにしまし、波崎新港に向いました。漁港内にはハジロカイツブリ、クロガモの姿があり、クロガモの群れに混じる1羽のビロードキンクロの姿を比較的近い距離で見ることができました。またカンムリカイツブリの夏羽個体、アカエリカイツブリの姿も見られ、関西からご参加のお客様はシノリガモ、ヒメウの姿に喜んでいただけたようでした。そしてここでも堤防上に並んだカモメ類を観察しました。この場所は東屋があったことから雨を避けて観察することができ、特に多かったカモメをじっくり観察し、ウミネコよりも緑色みがある足、暗色の虹彩、細かい斑点がある頭部など、特徴を覚えることができました。また外洋が荒れているせいか、ミツユビカモメの姿が目立ち、一時は4羽が堤防上に並びました。この辺りからは雨は小降りになり、空がやや明るくなってきたことから再度銚子漁港に戻り漁港を巡ることにしました。この時期の漁港周辺はカモメ類の個体数は真冬ほど多くはないですが、若い個体はオオセグロカモメが多く、ウミネコは夏羽個体が多く鮮やかです。なんとかカナダカモメを探そうと最後は銚子マリーナまで足を伸ばしましたが、それらしい個体に出会うことができず残念でした。ただ、ここでもミツユビカモメ、シノリガモの姿を見ることができました。
今回は生憎の天気になってしまいましたが、多くの皆様にご参加いただきましてありがとうございました。海上が荒れているわりには珍しい種が見られなかったことは残念でしたが、外洋性の種であるミツユビカモメが数多く見られ、例年それほど目立たないクロガモの姿も多く、比較的近い距離でビロードキンクロが見られたことも成果でした。また関西方面からご参加いただいたお客様がいらっしゃったため、ヒメウ、シノリガモの姿にも喜んでいただけたようで何よりでした。カモメ類は奥が深く、また銚子漁港は個人で行くにもアクセスが悪いため、今後も年に二度のツアー企画で進めて参ります。皆様お疲れ様でした。

石田 光史

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