【ツアー報告】初夏の奥日光 戦場ヶ原ハイキング 2017年5月16日

(写真:ノビタキ)

夏鳥たちが最も美しく歌い踊る季節に、東京から日帰りでそれらが楽しめる探鳥地を巡る初夏の日帰りバスツアーシリーズ。まずは毎回大好評の奥日光を訪れます。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間が長いことから通常の日帰りバスツアーよりも出発時間を30分早め、集合時間を07:30としています。前日まで雨でしたがこの日の早朝には雨は止んでいて、奥日光の天気予報も快晴とはいかないものの晴れマークがついていました。

16日、ほぼ予定通りの07:30に東京駅前を出発、途中休憩を取りましたが渋滞などは全くなかったことから3時間弱で奥日光に到着することができました。途中、車窓から見えたいろは坂の鮮やかな新緑と澄み切った青空のコントラストが見事でした。さすがに奥日光まで来ると芽吹きはまだまだで、新緑が鮮やかとは言えませんが鳥たちの声が聞こえていました。最初のポイントではまず観察機材準備をし、木道を歩き始めました。この時期は遠足や林間学校の子供たちで賑やかなため、子供たちと挨拶を交わしながらのスタートでした。まずは梢でアオジが歌っていたため望遠鏡を使って観察しました。ふと見上げるとヒガラがカラマツの枝先にぶら下がるように採食し、フワフワとカケスが飛んでいました。少し進むと小鳥たちがなぜか賑やかに鳴いている場所があったため見ているとモズの登場に警戒している様子でした。新緑の低木にはキビタキのメス、キクイタダキ、コガラ、キセキレイが集まってモズに対して警戒して騒いでいました。この辺りからは来た道を戻りながら探鳥し、今度は美しいキビタキのオスをじっくり観察することができました。時間があったことからもう一本ある木道を歩くと賑やかにさえずるミソサザイを観察することができたほか、幹を登るキバシリ、針葉樹林からはエゾムシクイ、メボソムシクイの声が響き、水浴びのためかメボソムシクイが目線ほどの高さの木にやってきました。またアカゲラが倒木で餌を探し、最後は針葉樹のてっぺんでさえずるオオルリの姿も見ることができました。その後は一旦各自昼食としてから、次のポイントに向かいました。ここではよくニュウナイスズメが見られていましたが、この日はチラッと見ただけでした。ただ建物の上で歌うキセキレイ、せっせと巣穴を掘るコガラのつがいを観察することができました。コガラのつがいは交互に巣穴に入っては木くずを咥えてどこかに捨てに行っているようで、その忙しい動きに思わず歓声が上がっていました。そして最後はいよいよ戦場ヶ原に向かいました。このくらいの時間になると観光客の姿も減り観察にはちょうどよくなります。まずは駐車場付近の畑地で地上採食する10羽ほどのニュウナイスズメを間近にじっくり観察することができました。よく見るとほかにもアカハラ、ホオアカ、ハクセキレイの姿もあり、どれも意外なほど間近に観察することができました。木道に入るとまだまだ芽吹きは少ないものの、各所でキビタキ、コサメビタキ、ウグイス、アオジ、ニュウナイスズメの姿があり、特にキビタキのオスが間近にその姿を見せてくれました。また主役のノビタキも各所で見られ、あまり人を恐れることなく間近の枯れ木に止まってくれたため、オス、メスそれぞれをじっくり観察することができました。戻る道すがらではノスリの飛翔が見られ、アカゲラとアオゲラが威嚇し合うという珍しいシーンを見ることができました。また行く途中では声を聞くだけだったオオジシギでしたが、帰り道では幸運なことに、地上の草の上に止まって鳴いている姿を見ることができ、最後はビンズイがさえずり飛翔する様子も見られました。出発時は歩くと汗ばむような陽気でしたが、夕方はやや風が出てきたこともあり、一気に肌寒くなっていました。

今回は快晴ではなかったものの雨の心配が全くない1日でした。今年は季節の進み具合が遅い印象で芽吹きは今一つでしたが、林ではキビタキ、オオルリ、メボソムシクイ、ミソサザイ、キバシリ、コガラ、ゴジュウカラ、アカゲラ、アオゲラなど、草原ではノビタキ、ニュウナイスズメ、ホオアカ、ビンズイ、そして本州では見ることが難しいオオジシギの姿を見る機会もありました。夏鳥を見るには最も良いシーズンの探鳥だったと思います。皆様お疲れ様でした。

石田光史

キビタキ

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