【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!富士山五合目 2019年7月31日
(写真:キクイタダキ 撮影:なー様)
関東地方もいよいよ梅雨明けを迎え、ここまで涼しかったことがウソのように一気に暑さが厳しくなってきました。こうなってくると国内でのバードウォッチングは一休みとなり、もうほとんど行く場所がない状況になります。ただ高山帯や亜高山帯に出かければ、種類は少ないながらも野鳥たちを楽しむことができます。今回は暑い下界を逃れて標高約2400ⅿの涼しい富士山五合目でのんびりと過ごしながら、水場にやってくる小鳥たちをのんびり眺めることをコンセプトに企画しました。
31日、早朝からムッとするような暑さの中、東京駅前をほぼ予定通り出発することができました。移動中のバス車内では少ないながらもこの日に観察できる可能性が高い種についての解説を行い、まずはサービスエリアに到着しました。到着時はさらに天候が良くなっていてその暑さはすでに危険レベルでした。その後は暑さから逃れるかのようにバスは走り、富士山五合目に向かいました。車窓からの風景にはようやく涼しさを感じられるようになり、到着した富士山五合目は心地よい風が吹き、早速ルリビタキのさえずりが響いていました。小道を下って行くとカヤクグリが歩き回り、頭上ではルリビタキが涼しげに歌っていました。到着後は各自観察機材の準備にとりかかりましたが、すでに水場にはコガラ、カヤクグリの姿がありました。その後はヒガラが何度も何度も水場で水浴びをし、11:30にはヒガラを蹴散らすようにホシガラスが飛んできて、その後、豪快な水浴びを繰り返してくれました。12:00にはルリビタキのメスがやってきてくれ、追うようにウソのペア、そしてようやく12:30に頭頂部が真っ赤なキクイタダキのオスがやってきて針葉樹に止まったり、水浴びをしたりとサービスしてくれました。その後はあまり水場にはこないメボソムシクイがさえずりながらやってきて、何度か水浴びを見せてくれ、13:00には今度はキクイタダキのメスがやってきてくれました。その後は一旦鳥の動きが止まってしまいましたが、真っ青なルリビタキのオスが2羽、そしてそれにメスも加わって3羽のルリビタキを同時に見る機会もありました。キクイタダキが2度見られたことから14:30からは遊歩道歩いてみました。生憎、小雨が降ってきてしまいましたが、針葉樹に止まるホシガラスが見られたほか、飛び交うアマツバメやツバメ、そして間近にメボソムシクイやヒガラの姿を見ることができました。その後は再び水場で観察していると、またまたホシガラスが豪快な水浴びを繰り返し、ルリビタキのメス、そして最後にちょっとだけキクイタダキがやってきてくれました。
今回はちょうど梅雨明けのタイミングに合い、また天候も良かったことから、予想以上に水場が賑やかで、毎回見るのに苦労しているホシガラスをじっくりと観察することができたほか、キクイタダキもオス、メスがやってきてくれ、ルリビタキ、ウソ、メボソムシクイ、カヤクグリ、ヒガラ、コガラといった常連の野鳥たちもその姿を見せてくれました。暑さが厳しくなる季節は、こういった探鳥も良いものだと思いました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史