【ツアー報告】関東有名探鳥地巡り 100種に会いたい! 2016年1月16日~18日

普段、主に関東圏で探鳥する機会がないお客様のために、東京発日帰りバスツアーで特に人気の高い探鳥地7ヶ所を3日間で巡り、100種の鳥たちに出会うことを目標にした冬恒例のツアーです。100種に到達することは難しいことですが、過去は天候悪化などを経験しながらもなんとか目標を達成してきました。

 16日、皆様のご集合が早かったことから予定よりもやや早い09:15に東京駅前を出発し、まずが群馬県内の湖沼を巡りました。ここではオオハクチョウ、コハクチョウ、そして亜種アメリカコハクチョウの姿があり、水辺では5羽のツルシギが休み、カンムリカイツブリ、ミコアイサが浮いていました。またハシブトガラスに追われるオオタカ幼鳥の姿、そして一緒に旋回飛翔するノスリの姿が印象的でした。次に訪れた場所ではホシハジロ、オナガガモ、コガモなどのカモ類の中に1羽のトモエガモのオスの姿があり、周辺の草地では2羽のベニマシコが見られました。その後は畑地を走りながらミヤマガラス、コクマルガラス、ハヤブサ、コチョウゲンボウ、ニュウナイスズメを観察し、最後に訪れた渡良瀬遊水地では30羽ほどのヨシガモの群れに驚かされ、最後は塒入りしてくるチュウヒ、そしてこの日はハイイロチュウヒのオスが3羽で戯れるように飛翔してくれました。結局初日は52種を観察することができました。

 17日、朝食後に外に出ると厳しい寒さで場所によってはうっすらと雪が積もっていました。この日は小鳥類を集中的に観察するために公園を歩きながら探鳥しました。園内に入ると今度は池にトモエガモのメスの姿があり、ここでもヨシガモの姿を堪能することができました。遊歩道では20羽ほどのエナガの群れに囲まれ、中には目線よりも下で採食する個体もいました。ほかにもキクイタダキ、シジュウカラ、コゲラ、メジロの姿があり、ニレの木にはシメの姿もありました。薄暗い園内に進むとアオジ、シロハラ、そして2羽のミヤマホオジロの姿を見る機会に恵まれ、トイレ休憩のポイントでは地上で採食するトラツグミの姿をじっくり観察することができました。その後はルリビタキのメス、グランド付近では50羽ほどのアトリの群れを観察して次の探鳥地に向かいました。途中にあるサービスエリアで昼食の時間を取った後は関東唯一のヒシクイの越冬地にやってきました。下見時は飛び去っていて不在でしたが、この日は比較的近い距離でヒシクイを観察することができ、ほかにもヒバリ、タヒバリ、イソシギ、アオサギの群れが見られました。その後は周辺の水田や畑地を巡り、畑地ではタゲリの群れやコチョウゲンボウ、チョウゲンボウ、水田ではクサシギ、タシギ、タカブシギといった常連組に加え、この日は15羽ほどのオジロトウネンの群れとコチドリ、別の場所ではやはり15羽ほどのオオハシシギとハマシギの姿がありました。最後は猛禽類の塒入り探鳥ですが、やや時間があったことからムクドリの群れの中に混じるホシムクドリを探すことにし、見事にたった1羽のホシムクドリに出会うことができました。ただこの辺りから天候が悪くなり最後の塒入り探鳥は薄暗い状況になっていました。ただ幸にも、ミサゴ、チュウヒ、ハイイロチュウヒの姿を観察することができました。この日は新たに29種を加え、合計81種観察となりました。

 18日、夜半から降りだした雨は激しさを増し、出発時には強風もあいまって荒れた天候でしたが、幸い雪による影響はありませんでした。この日は銚子漁港周辺での探鳥でしたが、どうにもならないため風を避けられる場所にバスを止めて車内からウミネコ、カモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、シロカモメなどを観察し、その後、11:00頃に雨が上がったタイミングでワシカモメ、カナダカモメを観察しました。また外洋が荒れていたことから漁港内を飛び回るトウゾクカモメが見られ、アビ、ウミスズメ、ウミアイサ、ハジロカイツブリ、アカエリカイツブリなども見られました。最後に訪れた三番瀬ではすっかり青空が見える中で、ハマシギ、ミユビシギ、ダイゼン、ホオジロガモ、そして当地のスターでもあるミヤコドリの姿を観察して終了しました。この日は24種を加えることができ、3日間の観察種の合計は105種となりました。

最終日はどうなることかと思いましたが、予想よりも早く雨が上がり、意外なほど予定通りの観察ができ、外洋が荒れていたことから外洋性の種が加わる幸運がありました。関東圏の有名探鳥地を巡ることで100種を超える鳥たちに出会うことができたことは、環境がなんとか保たれていることの証明であると嬉しく思いました。皆様お疲れ様でした。                                   石田光史

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