【ツアー報告】真夏の宮古島 アカショウビンとアジサシ類 2021年7月7日~10日

(写真:リュウキュウアカショウビン 撮影:栗栖剛様)

7日、予定通りに羽田空港を出発し、直行便で宮古空港へ。空港に到着すると、すでに梅雨が明け、夏を迎えた南西諸島ならでは湿度を含んだ暑さを感じる。空港でさっそく観察、撮影道具の準備をして、最初の探鳥地である水場へと向かう。到着後、水場を覗くとヒヨドリ、メジロが水浴びに忙しい。それらの鳥を観察していると、ここでの目当てであるリュウキュウアカショウビンのさえずりも響いてきて、すぐに姿を現してくれた。幸先良いスタートにこれからが楽しみになる。夕飯を食べた後は夜間観察へと向かう。南の島だけあって19時を過ぎてもまだ明るいが、暗くなり始めてくると巨大なヤエヤマオオコウモリガ空にふわふわと舞い始め、すっかり日が沈むと、あたりから「コホッ、コホッ」とリュウキュウコノハズクの鳴き声が聴こえてくる。1羽に呼応するように別の個体も鳴き、さらに別の個体も反応してと、何羽もの声が聴こえてくるので、近い個体に狙いを定めて姿を探すが、なかなか見つからない。数羽目の個体でようやくその姿を見つけ、じっくりと観察する。

8日、ホテルを出発してアジサシ類を観察すシークレットクルーズに乗船するため、港へと向かう。ここでボートに乗り、アジサシが飛び交っている沖合へと向かう。ちょうどクロアジサシが子育てのさなかで、少し沖ではエリグロアジサシやマミジロアジサシと共に群れを作って餌を探している。そのような群れに向かいボートを走らせると、ボートの頭の上を通過していくクロアジサシやマミジロアジサシも次々と現れ、あまりの近さにファインダーに入らないという嬉しい悲鳴が飛び交う。アジサシ類を堪能していると、2時間のボートクルーズもあっという間に感じる。戻った後は、長い伊良部大橋を美しいサンゴ礁を眼下に見下ろしながら渡り、伊良部島(いらぶじま)と下地島(しもじじま)へ向かう。砂洲で休む数羽のアジサシに望遠鏡を向けると、エリグロアジサシと共に見られたのは、オオアジサシと美しい夏羽のクロハラアジサシであった。今期はオオアジサシの観察が難しいとのことだったので、嬉しい出会いとなった。昼食後はうだるような暑さであるため、農耕地を車でまわりながら、ミフウズラとツバメチドリの姿を探す。炎天下の畑地で見られるツバメチドリは嘴を開けている個体が多く、とても暑そうに見える。ミフウズラも車道や畑地を横切る姿を何回か観察するが、すぐにサトウキビ畑の奥に入ってしまうため、なかなかじっくりと観察することができなかった。それでも何回も繰り返し観ていると、時にはしっかりと観察させてくれる個体が現れ、そのような個体の出現には車内から撮影するシャッター音が響く。

9日、早朝から大野山林の池に向かう。ここでの最大の狙いは、日本ではこの池がもっとも確実な探鳥地となっているオオクイナだ。アカショウビン、キビタキなどを観察しながら待っていると、目的の鳥が現れた。最初に現れたのは少し鈍い色をした雌で、ゆっくりと水浴びする姿を観察することができた。その後に頭から胸の赤色味の強い雄も現れ、2羽のオオクイナをしっかりと観察、撮影することができた。オオクイナをしっかりと観察した後は、池間島の池間湿原へ。ここでは先月より観察されているというレンカクを狙う。照りつける日差しのもとで1時間ほどかけて探すと、リュウキュウヨシゴイ、ヨシゴイ、ムラサキサギに加え、美しい夏羽の2羽のクロハラアジサシも現れたが、レンカクは現れず。熱中症の危険もある暑さであったので、残念ながら観察を打ちきることに。昼食後、再び池間湿原を少し覗いてから宮古島まで戻ることにすると、今回は到着して5分も待たない間にレンカクが草原から飛び出してきた。長い尾羽を持ち、襟の金色が美しい見事な繁殖羽だ。しっかりとこの美しい姿を目に焼き付けて、池間島を後にした。宮古島に戻ってからは再び農耕地でミフウズラを探し、何回もその姿を見つけることができた。

10日、最終日も早朝から大野山林の池に向かう。今日は昨日と比べると鳥の訪問は少なく感じられたが、オオクイナ、キンバト、アカショウビンといった、ここのスターバードは揃って現れてくれたので、最後の観察、撮影を楽しむ。水場での観察を終えた後は最近も出現情報のあったコグンカンドリ、コウノトリを探しに行くが、残念ながらどちらの姿も見つからず。最後に空港周辺のポイントでミフウズラを探して、4日間のツアーを締めくくった。

田仲謙介

リュウキュウサンコウチョウ 撮影:西川惠美子様

 

キンバト 撮影:栗栖剛様

 

リュウキュウコノハズク 撮影:西川惠美子様

 

ベニアジサシ 撮影:栗栖剛様

 

ツバメチドリ 撮影:西川惠美子様

 

リュウキュウキビタキ 撮影:栗栖剛様

 

オオクイナ 撮影:西川惠美子様

 

マミジロアジサシ 撮影:栗栖剛様

 

レンカク 撮影:西川惠美子様

 

クロアジサシ 撮影:栗栖剛様

 

エリグロアジサシ 撮影:西川惠美子様

 

ミフウズラ 撮影:栗栖剛様

 

ベニアジサシ 撮影:西川惠美子様

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