【ツアー報告】東シナ海第四の秘島 春の粟国島 2023年4月6日~9日

(写真:オオチドリ 撮影:小林敦様)

6日、12:20那覇空港を出発。粟国島ツアーだが、粟国島へ行くフェリーが午前中の1便しかないので沖縄本島で鳥見をする。まずは耕作地へ行き、農道をゆっくり走ると、シロガシラやシマキンパラが水浴びをしているのでみなさんで観察、撮影する。コチドリ、タカブシギ、クサシギ、ヒバリシギ、オジロトウネンなどのシギ・チドリ類やサギ類を見ながら走っていると畦に伏せているツバメチドリを発見。こちらもみなさんでじっくりと観察、撮影する。セイタカシギ19羽がのんびりしていて美しい。耕作地へ行くと、ツメナガセキレイ10数羽やムナグロ30羽程の群れが降りている。綺麗な繁殖羽のアマサギ14羽が堆肥場で餌を啄む。さらに海岸へ行くと、丁度、上げ潮で鳥たちが陸に近づいている。オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモなどのカモ類、コチドリ、メダイチドリ、アオアシシギ、ヒバリシギ、ウズラシギなどのシギ・チドリ類をみなさんで観察、撮影する。17:40にホテルへチェクイン。沖縄料理の夕食で盛り上がる。

7日、早朝にホテルを出発。朝食を取りながら鳥を見る。ムナグロがたくさん降りている。池ではクロツラヘラサギ14羽、ヘラサギ2羽、アオアシシギ48羽やアカアシシギ、ヒバリシギ、コチドリなどをみなさんでじっくりと観察、撮影する。亜種リュウキュウヒクイナが出て来るが、直ぐにアシに入ってしまう。暫く待つと、2羽で出て来てのんびりと歩く姿をみなさんで堪能する。その後は港に到着して乗船手続き等を行う。「ニューフェリーあぐに」は粟国村が運航している全長65m、451トン、定員270名の立派なフェリーなのだ。粟国島は那覇市の北西約60kmに位置し、面積約7.6k㎡、周囲12.8km、産業は主に農業と漁業だが、近年では製塩業も有名である。周囲に島がないことから渡り鳥が立ち寄る離島として一部のバーダーの間では昔から有名で、勝手に「沖縄の舳倉島」と呼んでいる。どうも南の島の海というとカツオドリやネッタイチョウがばんばん飛ぶというイメージを持っている人が多いようだが、まったくそんなことはなく、心が折れるほど鳥がいないのだ。海は大荒れ、船は激揺れの中、数名で頑張って甲板で鳥を見ていたがトビウオを確認しただけで粟国島に着岸する。雨が降っていて寒く、島も静かで嫌な感じがする。急いで広場へ行くが鳥がいない。昼食後、西の耕作地の畑を11枚丹念に見るが渡り途中のサギ類や留鳥のシロガシラ、キジバト、セッカ、イソヒヨドリしかいない。東の耕作地へ行くと、サトウキビの搾りかす置き場に真っ黄色なツメナガセキレイ1羽、亜種ホオジロハクセキレイ2羽、タイワンハクセキレイ2羽がいてやっと盛り上がる。さらに別の畑にムネアカタヒバリ8羽、タイワンハクセキレイ6羽がいてじっくりと観察、撮影する。さらに牧場へ行くと電線にコムクドリ56羽、ムクドリ18羽の群れの中にカラムクドリ2羽が入っているので急いで近くへ行ったがどこかへ飛んでしまって見失う。すると、ヤツガシラが車に向かって飛んでくるがこちらも見失う。浜の耕作地へ行くとチュウジシギ7羽が畑に降りるが、場所の説明をしている間に飛んでしまう。ツバメがどんどん入って来て亜種アカハラツバメも混じっている。ほぼ繁殖羽のアカガシラサギが道路の脇で餌を捕っているのでみなさんで観察、撮影する。夕方、サシバもどんどん渡って来てあちこちの電柱にとまっている。すると、チュウヒが1羽とまっているではないか。慌ててみなさんで観察、撮影する。再び東の耕作地へ行くとツバメチドリがとまっているのでこちらもじっくり観察、撮影する。アマサギの30羽程の群れが入って来て綺麗な繁殖羽が数羽混じっている。再び牧場へ行くと狙い通りにヤツガシラが餌を啄んでいる。雨の中だがみなさんでじっくりと観察、撮影する。島に到着した昼頃に比べると鳥どんどん入って来て明らかに増えている。17:45ホテルにチェックイン。小さな離島には珍しくプチホテルがあり、全員個室でウォッシュレット完備というのが素晴らしい。

8日、朝6:30、気温16℃と真冬に戻って風が強い。ホテル周辺を歩くと、サシバがさらに増えててあちこちにいる。セイタカシギ15羽が海上から入って来る。7:30朝食。朝食後にホテルの近くでほぼ繁殖羽のアカガシラサギを見付けて観察、撮影する。過去にいい思いをしている場所へ行くとジョウビタキ、シロハラが飛び回り、上空をアマツバメが高速で飛んでいく。浜の耕作地でヤツガシラを発見。ヤツガシラは個体によって警戒心の物凄く強い個体とぜんぜん気にしない個体がいるが、この個体は我々をまったく気にしないで餌を採っているのでみなさんでたっぷりと堪能する。チュウサギ28羽が渡ってきて草地で採餌をする。昼食後、綺麗なオオルリ雄を観察、撮影。海岸林を歩き、亜種サンショウクイやアトリを観察。こんな真昼間なのに夜行性のヤシガニが歩いているのでみなさんで撮影大会となって盛り上がる。気温が上がってジャコウアゲハやシロオビアゲハなどの蝶がたくさん飛び回る。ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギの50羽以上の群れが入って来て草地で採餌をする。東の耕作地でヤツガシラを発見。この個体も警戒心が薄く、みなさんでたっぷりと堪能する。近くをギンムクドリ6羽が飛び回り、樹林へ入ってしまう。暫く待つと雌雄が電線にとまったのでじっくりと観察、撮影する。ムクドリ100羽以上の群れが入って来て飛び回っている。以前はムクドリ類の中でムクドリが一番少なかったのだが、最近はたくさん見るようになった。上空を大型の猛禽類が飛んでいる。ノスリの仲間だ。畑の中の木にとまるが見えない。みえる位置に移動していると飛び出して、風にあおられながら樹林を越えて見えなくなってしまった。しかし、写真を撮られたお客様がいてオオノスリと判定。夕方、さらにツバメがどんどん増えていく。17:50 ホテルにチェックイン。

9日、風も穏やかとなり暖かい。ホテル周辺を歩くと電線にカラムクドリ2羽がとまっている。初日に数人しか見られなかったので全員で見ることが出来た。昨日よりさらにツバメが多く飛び、インドハッカが奇妙な声で鳴く。朝食後にノスリが次々に上昇気流に乗って上がっていく。ノスリ30羽程にツミやハイタカも混じってぐんぐんと上昇して海上へ流れていく。沖縄でこんな数のノスリの渡りを見たのは初めてなのだ。その後、東の耕作地へ行く。渡ってきたばかりのムナグロ4羽が伏せている。すると、その後方にいるオオチドリを発見してみなさんでじっくりと観察、撮影する。牧場へ行くとムクドリの群れの中にホシムクドリ1羽が入っている。さらに耕作地で繁殖羽のアカガシラサギが道路から側溝に降りてカエルを咥えて道路で食べるシーンをみなさんたっぷりと堪能しているとその脇の耕作地にハクセキレイ1羽、ホオジロハクセキレイ1羽、タイワンハクセキレイ1羽、シベリアハクセキレイ2羽の4亜種が混じっているので、こちらもみなさんで観察、撮影する。昼食後、フェリー乗り場へ行き出港。16:00に泊港に着岸。16:30に那覇空港へ到着したのである。鳥たちが次々に入れ替わる渡りの中継地・粟国島。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

アカガシラサギ 撮影:島田真司様

 

ヤツガシラ 撮影:小林敦様

 

インドハッカ 撮影:島田真司様

 

ヒバリシギ 撮影:小林敦様

 

ギンムクドリ 撮影:島田真司様

 

セイタカシギ 撮影:小林敦様

 

ヤツガシラ 撮影:島田真司様

 

オオルリ 撮影:小林敦様

 

マミジロツメナガセキレイ 撮影:島田真司様

 

ホシムクドリ 撮影:小林敦様

 

シロガシラ 撮影:島田真司様

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