【ツアー報告】ベストシーズンに行く三宅島 2016年5月13日~15日

(写真:アカコッコ 撮影:須﨑明男様)

梅雨入り前で晴天が多く、島ならではの心地良い海風が吹くこの時期の三宅島はまさにベストシーズンです。森は深く薄暗いですが、この時期ならばまだまだ鳥が探せるレベルで、鳥たちのさえずりが最も多いことも見逃せません。また、帰りの三宅島~東京航路での海鳥観察は海鳥たちが北に向う途中であることから間もなく目玉がなくなってしまいますが、この時期ならばなんとか楽しめます。今回はベストシーズンらしく、海況も良く、天気も良い中での2日間となりました。

13日、21:30にご集合いただき資料配布、今夜から明日にかけての連絡などをして22:10から乗船開始となりました。この日は乗船客が多いことから室外からの乗船となりました。その後、橘丸は予定通り22:30に出航して三宅島に向いました。

14日、予定よりも10分ほど早い04:50に橘丸は三宅島三池港に着岸。やや風は吹いていましたが空は青くなり出し天候は問題なさそうです。まずはウチヤマセンニュウを観察することにしました。到着すると風は全くなく穏やかでした。こういう日はウチヤマセンニュウを観察するには好都合です。早くもさえずりが聞こえる中で朝食を食べながら観察しました。付近にはイソヒヨドリの姿があり、アマツバメが飛び回っていました。ウチヤマセンニュウを観察していると、頻繁にカラスバトも見ることができ、結局2時間ほどの間に枝先でさえずるウチヤマセンニュウをじっくりと観察することができました。その後は薄暗い森を歩いてみました。ここは森が深く鳥の姿を見るにはあまり良くはないのですが、この日はラッキーなことに横枝に止るカラスバトの姿を見ることができ、アオバズクの声を聞くこともできました。その後はバスを使って恒例の島内一周を行いました。毎回お世話になっているドライバーさんの案内で島の歴史を学びながら噴火の跡をたどり、椎取神社、三七山、七島展望台、そしてサタドー岬などを巡り、ウミガメも見ることができました。その後は一旦宿にて昼食とし、午後からは大路池周辺を徒歩にて探鳥しました。さえずりの小道ともいえる遊歩道では降り注ぐようにイイジマムシクイが歌い、枝先で動き回る姿も見ることができました。ほかにも小道を歩きながら採食するアカコッコ、大路池ではアオサギ、チュウサギの姿があり、最後に訪れたアカコッコ館では小道で必死に採食するアカコッコ、水場では亜種タネコマドリ、亜種モスケミソサザイなども見ることができました。

15日、前夜からの強風は収まりましたが、やや肌寒い感じがする05:00から宿の庭にくるアカコッコを狙ってみることにしました。なかなか現れませんでしたが、その間は亜種オーストンヤマガラが楽しませてくれ、ようやく06:10にアカコッコのオスがやってきて楽しませてくれました。07:30から朝食をとり08:30からは再び徒歩探鳥を行いましたが、この時間は再集合時間を決めて一部自由行動可としました。大路池に向う小道では何度かアカコッコの姿が見られ、枝先でさえずるイイジマムシクイ、そして尾羽を広げて求愛行動のような動きをしながら歌う亜種タネコマドリの姿をじっくりと観察する機会に恵まれました。そして最後は再びアカコッコ館を訪れましたが、たまたま営巣中の亜種タネコマドリを発見しました。視界の悪い林の中であったこと、距離がかなりあったことから望遠鏡を使って短時間の観察をしました。幸いこちらを気にする様子はなくせっせと餌運びをしており、巣の中にいるヒナの姿も見ることができました。観察終了後は宿にて昼食をとり荷物整理後に錆が浜港に向いました。出航後は僅かな時間ながら海鳥観察を行い、出航直後は船体にまとわりつくように飛翔するカツオドリが見られ、その後はオオミズナギドリよりもハシボソミズナギドリの個体数が増え、強風の中、船体を追うようにスイスイ飛翔する姿が楽しめました。海鳥は全体的に北上期に当たるため、もうこの航路での海鳥観察はほぼ終了といった時期でしたが、クロアシアホウドリを2度観察することもできました。

今回は天気が良い中、しかも心地よい海風を感じながら2日間を過ごすことができました。鳥たちもその姿をよく見せてくれ、代表種のアカコッコをはじめ、ウチヤマセンニュウ、イイジマムシクイ、カラスバト、亜種オーストンヤマガラ、モスケミソサザイ、タネコマドリも見ることができました。そして噴火の跡をたどる島内一周、毎回大好評の暖かい雰囲気の宿と地元の食材を使った食事も楽しめました。三宅島は何度訪れても楽しめる場所です。またの機会にぜひご来島ください。この度はお疲れさまでした。

石田光史

カラスバト 撮影:須﨑明男様

カラスバト 撮影:須﨑明男様

 

ウチヤマセンニュウ 撮影:須﨑明男様

ウチヤマセンニュウ 撮影:須﨑明男様

 

亜種タネコマドリ 撮影:須﨑明男様

亜種タネコマドリ 撮影:須﨑明男様

 

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