【ツアー報告】サンカノゴイに会いたい!初夏の印旛沼 2016年5月29日

(写真:サンカノゴイ)

初夏という表現にはやや早い季節ですが、今回訪れる平地の草原環境は晴天時にはかなりの暑さを感じます。今回はサンカノゴイをメインにヨシゴイ、オオセッカ、コジュリン、コヨシキリ、オオヨシキリなどを探します。ほぼ一日中、同じような環境を巡るため、観察種はそれほど多くはないのですが、その多くが環境省レッドデータブックに記載されている希少種です。中でもサンカノゴイは手強いため、午前と午後に2度ポイントを訪れるプログラムにしています。この日は事前の天気予報では日中はなんとか天気は持ち、夜から雨との予報で観察には影響はなさそうでした。

29日、ほぼ予定通りに08:00に東京駅前をバスにて出発し、途中休憩を挟んでも約2時間ほどで最初の探鳥地に到着しました。天候は薄曇りでしたが思ったほど悪くはなく、時より薄陽が射してきました。この日はすでの数名のバードウォッチャーが陣取りサンカノゴイの出現を待っているようでしたが、水田をさっと見てみると早くも畦上にサンカノゴイがその姿を現わしました。動きが鈍く、スローモーションのような動作のため目につきにくく、地味な体色のためなかなかその存在を認識できないためひとまず望遠鏡にその姿を捉えて観察していただきました。しばらく見ていると農作業のために来られた人の姿に驚いて飛び立ち、アシ原の中に消えてゆきましたが、その存在感は見事でした。またアシ原付近では複数のヨシゴイが同時に飛翔するなど、今年は驚くほど頻繁にその姿が見られました。また当地で最も目立つオオヨシキリは相変わらずけたたましい歌声を響かせていました。その後は一旦場所を変えてオオセッカとコジュリンを観察に行くことにしました。途中の道の駅では各自昼食をとっていただきましたが、その頃には天気はかなり良くなり日焼けが心配なほどでした。まずはとあるアシ原に向かい観察を開始しましたが、ここではオオセッカの声が少なかったのですが、愛想の良いコヨシキリの姿があり、口の中の黄色までしっかり観察することができました。また距離はありましたがとりあえずオオセッカとコジュリンを観察することができました。ただ、間近に縄張りを持っているオオセッカがいなかったことから場所を移動すると、ようやく間近のアシ原に縄張りを持っている個体を見つけることができ、望遠鏡を使って長い尾羽や背中の黒い模様などを観察すると共に、独特のさえずり飛翔を何回も観察することができました。その後は一旦トイレ休憩をとり、サンカノゴイ観察に戻る予定でしたが、最後にもう一度最初に訪れたアシ原に立ち寄ってみました。すると今度は間近にさえずり飛翔を繰り返すオオセッカの姿を見ることができました。やや時間が押してしまいましたが最後は再びサンカノゴイ観察ポイントに移動しました。この時間は沼側が順光になるため、主にアシ原側を観察しましたが。とにかくこの日はヨシゴイが多く見られ驚かされました。時には数羽が同時に飛翔するなど例年には見られない光景が見られ、アシに止まっている個体も多く望遠鏡を使って観察することができました。サンカノゴイはアシ原内から独特の声を響かせていましたが結局出現はなく残念でした。

今回は主役のサンカノゴイがじっくり見られずやや残念でした。またコジュリンもその姿は見られたものの距離が遠くしっかり観察することができませんでした。一方、ヨシゴイは驚くほど観察でき、特にアシに止まっている個体が何度も観察できたことは幸運でした。そしてオオセッカ、コヨシキリ、オオヨシキリはその姿をじっくり観察することができました。やや暑い中での探鳥でしたのでお疲れではなかったでしょうか。この度はお疲れ様でした。

石田光史

ヨシゴイ

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