【ガイドが厳選する鳥100種】その2:ヤマショウビン

黒い帽子を被ったような頭、瑠璃色の背中という調和のとれた美しい配色に、鮮やかな赤い嘴が映えて、人気が高いヤマショウビンをご紹介します。

ヤマショウビン

日本では主に春の渡りの時期に日本海側の離島で見られることが多い鳥ですが、渡り鳥の中継地として有名な石川県舳倉島や山口県飛島よりも、この鳥の繁殖地である中国南部や朝鮮半島に地理的に近い、長崎県対馬や南西諸島で見られることが多く、この鳥との出会いを求めて、春の長崎県対馬には多くのバーダーが渡ります。しかし、対馬においてもこの鳥の出現状況は神出鬼没そのもので、大きな対馬のどこに出るかは予想できず、広い対馬のどこもが観察ポイントといっても過言ではありません。

日本は短期間で通過していくのみなので、観察できる機会が限られているのですが、タイやカンボジアなどの東南アジア、台湾の金門島や香港には晩秋に渡来して、早春に繁殖地へ戻るまで見られるので、短期間で通過していく日本よりも、観察する機会が多いのが嬉しいところです。

人気が高いヤマショウビンですが、少し気がかりなことがあります。それは、ひょっとしたらヤマショウビンの数が減少しているのではないか、ということです。今春は対馬を通過していく個体数も例年に無く少なかったようですし、越冬地である東南アジアにおいても、以前に比べると観察する機会が減っているという話を耳に挟むようになってきました。まだ、それほど稀少な鳥ではありませんが、気づいたら、いつの間にか見づらくなっていたという存在にならないことを祈るばかりです。

 

今回、ご紹介したヤマショウビンが期待できるツアーはこちら

11月29日発 金門島バードウォッチング

12月12日発 カンボジアバードウォッチング

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