【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!7月の富士山五合目 2016年7月27日

(写真:ルリビタキ)

時期的には小鳥たちのさえずりもなくなり、セミの声がうるさく、森が薄暗くなることなどからそろそろ林の鳥たちを見ることが難しい時期です。ただ、高山や亜高山帯はまだまだ一部の鳥たちのさえずりが聞かれ、ある程度時間をかければまだまだなんとか観察することができます。今回は夏恒例となった日帰りバスツアー、富士山五合目に向かいました。日中でもフリースが必要なほど涼しい場所で1日じっくり水場にやってくる高山の鳥たちを観察するコンセプトの企画です。とても小さな水場のため大人数での観察は困難と考え16名様限定での少人数ツアーです。

27日、予定通り東京駅前を08:00に出発して富士山を目指しました。途中のSAは超混雑でバスを止める場所にも苦労するほどでしたが、天気予報に反して晴れ間が見えはじめ、とにかく暑さが厳しい状況になりつつありました。ただ高速道路を下りて五合目に向かう途中からは徐々に霧が立ち込め小雨が降りはじめました。水場にやってくる鳥たちを観察することから暑くなってくれたほうが良いわけですから、やや心配でした。到着した駐車場もやはり霧がありやや視界不良ながらも、早速メボソムシクイ、ルリビタキのさえずりが聞えました。ポイントに向かう途中の小道では間近にメボソムシクイの姿を見ることができ、その涼しげなさえずりの間に聞こえる「ギュイ、ギュイ」という声も聞くことができ、さらに進んだあたりでは待望のキクイタダキの姿があり、さらにはルリビタキのオスの姿も見られました。水場に到着した頃は相変わらず霧があり、一時小雨も降りましたが天気予報ほど天気は悪くはなく早速現れたルリビタキのメスの水浴びを観察し、その後はウソのメス、さらにはあまり水場にはやってこないカヤクグリの水浴びも観察することができました。昼前には空は明るくなり、光線状態の良い中での観察が可能になりました。まずはコガラの姿があり、その後は人気のあるルリビタキのオス、さらには若いオスもやってきてくれ、しばらくの間はルリビタキのさまざまな個体を観察することができました。その後、15:00からはご希望のお客様と遊歩道を歩き、針葉樹の上でさえずるルリビタキ、カヤクグリの姿を観察し、その間には水場にカヤクグリのほか、メボソムシクイもやってきたようでした。気が付くと真夏のような日差しがあり、富士山頂もはっきりと見えるほどの快晴になっていました。観察は16:00まで続け、16:30には探鳥地を後にしましたが、わずかな時間ながらも高山帯の涼しさの中で小鳥たちの姿を満喫することができました。

今回は残念ながらキクイタダキを水場で見ることはできませんでしたが、たまたま針葉樹林内で見ることができ、ほかにもメボソムシクイ、ルリビタキ、カヤクグリ、ウソ、コガラなどを見ることができました。天気予報が芳しくない中でしたが、思ったほどの天候悪化はなく、むしろ富士山頂が見られる陽気で幸いでした。このツアーはマイカー規制の最終日にあたる831日(水)にも再度企画しております。暑い日が続き、なかなか出かける場所が見つからないだけに再度のご参加をご検討いただけましたら幸いです。この度はお疲れ様でした。

石田光史

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